「ヌーの大移動」を聞いたことがありますか?
これは、約160万頭のヌー(牛科)が、マサイマラ動物保護区(ケニア)からセレンゲティ国立公園(タンザニア)へ約1000キロメートル、毎年行う大移動のこと。
大移動を行うのは、食物の確保のためである。
マサイマラ動物保護区で乾季に入ると、セレンゲティ国立公園は雨季になる。
彼らの植物である草花を求めて、1000キロの大移動を行う。
ヌーの大移動にはさまざまな困難が待ち受けている。
最大の難関はマラ川。イマラ動物保護区とセレンゲティ国立公園を区切る最大の難所である。
川幅幅約100メートルで、対岸はがけが形成されている。
この川を渡っていかなければ、目的地にいけない。
ヌーは泳ぐことができないので、一歩間違えば溺死してしまう。
さらに川の途中にはワニがうじゃうじゃいる。
一度に一千頭以上がいっせいに渡渉するという。
そして、厳しい現実がある。
途中でワニに食べられてしまうヌー。
対岸にわたったが、がけを登ることができず力尽きてしまうヌー。
また移動の途中でも、ライオンなど肉食動物の餌食になることも少なくない。
毎年繰り広げられる生死をかけたドラマ。
ようやくたどり着いたセレンゲティでゆっくりする間をなく、わずか2週間でいっせいに出産を迎えるという。
生まれた赤ちゃんは出産後30分程度で歩き始める。
(人間のようにゆっくりしていたら、餌食になってしまう)
このドラマをテレビなどで見るたびにドキドキしてしまう。
動物って、生きていくこと自体が命がけなんだと。
そして、それでもけなげに精一杯生きていき、自分の身を削ってでも子孫を保存しようとしていく。
このドラマでは、ちょっと悪役に見える、ワニやライオン。
彼らも生きていくために哺乳類を殺して食べて行かなければならない。
食物連鎖をいう非情の掟の中で生存していく彼ら。
そして人間は少なくとも他の動物に食べられることはない・・・。
どうして、人間だけ食物連鎖の掟から逃れることができるのだろうか?
平日に録画だめした番組を、週末見ながら感じたこと。
お粗末様でした。
●世界遺産 セレンゲティ国立公園とは
タンザニアにあり、キリマンジャロの裾野に広がる自然公園
広さは約1.5万km2。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県を合わせた広さ(約1.3万km2)よりもやや大きい。
さまざまな動物が、約300万頭生息していると推定されているとのこと。
1981年、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録される。
一生のうち、一度行ってみたいですね。いけるかな?