イチローが日米通算4000本安打を記録した。
イチロー以前の日本記録が3085本(張本勲氏)なので
それをはるかにしのぐ偉業である。
また長い歴史をもつ大リーグでも、4000本以上を記録しているのは
タイ・カップ(1927年)、ピート・ローズ(1984年)
しかいないとてつもない大記録とのこと。

記録達成後の記者会見で、彼は興味深い発言をした。

「誇れることがあるとすると、4000のヒットを打つには、僕の数字で言うと、8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。それと常に、自分なりに向き合ってきたことの事実はあるので、誇れるとしたらそこじゃないかと思いますね」

人々は成功して達成した記録ばかりに目を向けるが
成功してきた人はむしろ失敗や現実に、人より
厳しい目を向けて、向き合ってきたことが成功の秘訣かも知れない。

相撲の世界には。「負けて覚える相撲かな」という言葉があるそうな。
失敗に向き合って、失敗を克服してくる強靱の精神力が
偉大な記録を達成する天才の必須要素かも知れない。

ピートローズの持つ世界記録4256本まで、現役を続けるよう祈りながら
これからのイチローの精進と活躍を静かに見守りたい。