なでしこジャパンの佐々木監督の指導力を分析してみると
”着眼大局 意志疎通 横から視線”で表すことができるのではと思った。
テレビで見てもわかるとおり、欧米と日本とでは体格がまるで違う。
平均身長が10センチ以上下回ることが少なくない。
したがって、高さやパワーでは一歩も二歩も劣ってしまう。
一方、日本人は、ボールの扱いが器用で、小回りが効いて
チームワークをよいという伝統的な特性がある。
そして、力に上回るに相手を負かすには、敵の強みを把握し、自分の強みを生かして勝つ戦術が必要となる。
それが今回※女バルサと賞賛され、パスサッカー&ポゼッションサッカーというチーム戦術である。
細かいパスを横縦に積み重ね、相手がボールを支配すると多くのリソースを割き、プレスを素早くかけて
ボールを奪取し、ボール支配率で圧倒していくという戦法だ。
一方で、その戦術を実行する主体である選手とどのようなスタイルでコミュニケーションをとっていたのか?
それが一言でいうと、”上から視線ならぬ、横から視線”だという。
選手が力を発揮させることを後方支援するようなコミュニケーションを貫いているような、
優勝のインタビューで、報道陣から「監督の素晴らしいところは?」と聞かれたある選手は、「別に、おやじギャクを連発するところかなぁ」と返していた。
そして、結果として創り上げたのがチームの戦術の土台の上に、個々の選手の主体的な個人戦術が機能するという、チーム力と個の力の発揮が融合された姿だ。
その象徴と思ったのが、決勝戦の2点目の澤選手の芸術的ゴールである。
このゴールは、コーナーキックの直前、宮間選手と澤選手の、「ニアに行くよ」即興の合意と阿吽の呼吸で生まれたゴールという。
いろいろ賛否両論あるかも知れないが、佐々木的リーダーシップスタイルの秘密は今の時代、今の若者の気質のあった、着眼大局 意思疎通”横から視線”
になるのでは、密かに思った。