先日、インターネットラジオ番組「発展途上人」(夢のタネ放送局)にゲスト出演し、パーソナリティの近藤隆二さんと対談させていただいた。
番組のテーマは「発展途上人」。
68歳になった私が、なぜいまなお“進化”を志すのか?という切り口から始まり、話は生成AIの活用や、創造性とは何かという本質的なテーマにまで及んだ。

「人間の知見×AIの知性」の融合を目指して
私がマーケティングコンサルティングを30年近くやってきた中で、近年とみに感じていた限界がある。
それは、「人が人に向き合うことの限界」だ。
クライアントの事情は千差万別。対応には専門知識と経験だけでなく、人間的な共感力も問われる。
けれど、それをすべて“人”だけで担おうとするには、体力も、時間も、人的資源も足りない。
もっと言えば、属人的すぎて再現性がない。
では、それをどう補完し、構造的に強くしていくか?
私なりに出した答えは「生成AIとの対話から生まれるコンテンツによるコンサルティング支援」だった。
アイデアは“もや”のままでもいい
番組内で私は、生成AIのことをこう表現した。
「生成AIは“超秀才”なんですよ。人間が脳から生じるひらめきを、言語化して、構造化して、具体化してくれる存在。」
私の中には、言語化しきれていない「構想レベル」のアイデアが日々渦巻いている。
それを、生成AIに投げかけ、対話し、アイデアの精度を高めていく。
まるで編集者と作家が言葉を磨き合うような関係だ。
このプロセスにより、「ぼんやりした直感」が「明確なソリューション」に変わっていく体験をいくつもしてきた。
クリエイティビティとは何か?
近藤氏との会話は、いつしか「創造性」についての哲学的対話になっていった。
創造性は、突拍子もないことを言う能力ではなく、「自分の本来的自己」を無心に発揮する状態にある――私はそう捉えている。
子供のような無垢な発想と、大人としての知見・経験が掛け合わさったとき、最も創造的なアウトプットが生まれる。
そのために必要なのは、何より「自分を解放できる環境」だ。
私の場合、それはテレワーク&ワーケーションというワーキングスタイルと密接に関係していると感じる。
例えば、平日の午前中に茅ヶ崎の海辺カフェでノートを開き、海を眺めながらアイデアをスケッチする。
これだけで、普段とは異なる視点が湧いてくる。
そのアイデアメモを仕事場に帰って、生成AIと問答したり、ホワイトボードにチャートで書き表したりすることで、アイデアが、コンセプトになり、コンセプトがフレームワークになり、更に肉付けされて、プランに落とし込まれていく。
これまでアイデアからプランに至るファジーな段階で多くの創造のネタは消滅していったが、そこに”生成AI活用×創造性発揮ワーキングスタイル”を組み込むことで、アイデアの生存確率がかなり上がったと感じる。😄
人には「固有の用(よう)」がある
番組の終盤で紹介したのが「固有の用(よう)」という言葉。
かつて私が学んだ経営塾で、ある先生から学んだこの一言が、今も心に残っている。
「人には、それぞれ果たすべき“固有の用”がある。」
言い換えると、人が人生で経験する出来事にはその人の固有の用を果たすに関連する意味があり、特に困難や嫌な思いなどは自分をバージョンアップさせるために必要なのだと。
この考え方が、私をポジティブに、創造的に、そして挑戦的に導いてくれている拠り所になっているのではと。
クリエイティブで、チャレンジングで、イノベーティブな日々を
生成AIと出会い、私はあらためて「自分にしかできない仕事とは何か?」を問い直している。
「他の誰でもできること」はやらない。
「自分でなければできないこと」に集中する。
それは、“CCI(Creative/Challenging/Innovative)”という価値軸にほかならない。
今後も、ネットパートナーというテレワーク企業の枠を超えて、生成AI×人間知で“CCIな挑戦”を続けていきたい。
ご感想・ご意見などあれば、ぜひお寄せください。
次回のラジオ収録では、今回話しきれなかった「生成AIによるコンサルティングモデルの再構築」について、さらに深掘りする予定です。